八千代くんのものになるまで、15秒


ちら、と梓希くんの方を見ると、「なに」と意地の悪い笑みを浮かべている。

その顔……私が何を考えているのかお見通しってこと?

んんっと咳払いをして、私は気になっていたことを聞いてみることにした。



「あの……梓希くんは、」
「うん」
「その、"そういう意味"でお家に誘ったのでしょうか……」



チッ、チッ、と時計の秒針の音が響く。
しばらくして、梓希くんは口を開いた。



「"そういう意味"って、なに?」



その表情は、やっぱりこの状況を楽しんでいるかのようで。
相変わらずの余裕さに、私は地団駄を踏みたくなる。



「梓希くんっ」
「はは、なに。」
「っずるい」
「だから、なにが」
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