八千代くんのものになるまで、15秒
唇が離れて、頬も耳も、なんなら首まで真っ赤になっているだろう私のことを見て、
梓希くんはゆるりと笑う。
「……風邪、移ったらどうするの」
色々といっぱいいっぱいの私が、
なんとか口に出せた言葉はこんなもので。
「はは、ごめんね」
悪びれた様子もなく、梓希くんはそう言った。
……風邪を引いていても、熱があっても。
梓希くんは、私のことをドキドキさせる天才らしい。
『えっ、梓希くん、何も覚えてないの?』
『や、蓮が来てくれたのは覚えてるけど……何か言ってた?』
『……っいいえ!なんにも!?』