八千代くんのものになるまで、15秒
「かっ……のじょ、じゃ、ないです……」
「今隣の席だから、仲良いんだよ」
「ふぅん?」
しげしげと私を眺める仁さん。
う、うぅ、緊張する。
「可愛いじゃん。従順そうで」
「かっ……!?」
お兄さんだ……
ま、間違いなく八千代くんのお兄さんだっ。
不意にとんでもないことを言ってしまうところ、本当にそっくり!
「はは、からかうのやめてあげて。……倉木、こっちが百合さん」
「あ、初めまして……」
ぺこりとお辞儀をすると、「そんなにかしこまらなくていいよっ」て、優しい言葉をくれる。
声も名前も、可愛くて、性格まで優しいだなんて……!
「えっと、東 百合です。大学2年生です。梓希くん達とは幼なじみなんだ」
幼なじみ……ってことは、小さい頃から仲が良かったんだ。
「仁くんとは同じ大学で……それで、えーっと……」
「2人、付き合ってるから」
何てことないないように八千代くんはそう言った。
百合さんは恥ずかしそうに頬を赤くしていて、