憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました～ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる～

『ならいいんだけど。里桜ちゃんがフラレて泣くのを見るの可哀想だから。ほら、私達友達だから、ちょっとだけ忠告してあげたくて』


友達っていうか先輩…


今ここで、それはさすがに余計なお世話…なんていったら、また火に油を注いでしまうよね。


心の中はすごくザワザワしたけど、グッと我慢して口を閉じた。


『は、はい。ありがとうございます。でも、本当に私達はそんなこと有り得ないので』


そう言いながら無理に笑った。


『里桜、これから厨房で食材の最終チェックしたいって料理長が言ってるから一緒に来てくれる？』


『あっ、うん、もちろん。矢野様の結婚式はお料理の量が半端ないもんね』


半分うなだれる私を見かねてか、恭介君が言ってくれた。


優しい反応に救われる。


『じゃあ、美穂先輩。また』


『またね、恭介君。本当にありがとう。近々バーに行くの楽しみにしてるわね』