あ
クーラーがついさっきつけられたらしく、全然涼しくないのでみんなにばれないようにそっと窓を開ける。
窓からは少しひんやりとした風が緩やかに教室に入って来て、とても気持ちが良い。
窓側の席でよかったと思える瞬間だ。
ふと前のほうを見ると、自然と視線が四宮星空の方へと向いた。
彼は何人かの男子と楽しそうに話していた。
屋上で会った日から、彼とは一回も話をしていない。
別にだからどう、とかではなくて、単に気になるだけ。
担任が教室に入ってきたので、みんなが一斉に席につく。
「みんなおはよう。今日は大事な話があるから早く座れー。」
今日は家の掃除をしたいな。最近散らかってきてるから。
「えー、実は昨日の放課後、会議室の机の上に置いてあった封筒が紛失したんだ。昨日は先生たちの出張の日だったことは知ってるな？昨日その封筒が紛失した時間帯には、事務さんと保健室の先生しかいなかったんだ。二人は何も見ていないし聞こえなかったと言っている。封筒には大金が入っているから、一刻も早く見つけ出さないといけない。心当たりのある人は遠慮なく言ってきてくれ。わかったな？」
「聞いた？大金だって。」
「誰が盗んだんだろうね。悪質。」
「その時学校にいた先生のどっちかじゃないの？」
「なわけねえだろ。先生だぞ？ありえねえよ。」
「確かに。」
携帯を触って興味を示さない人と、犯人を見つけ出そうと推理を始める人、とにかく問題ごとが出てきたことを面白がる人。
クラスは誰が犯人かの話で持ち切り。


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