君と恋をするための三か条
「車、本当に良かったの?迎えに来てもらっておいて今更だけど…」
麗花の住むマンション近くの公園で待ち合わせ、彼女を助手席に乗せる。
麗花はロングスカートとミドル丈のトップスを着こなし、いつも会う時はひとつにまとめているだけの髪は可愛らしいバレッタで華やかにまとめている。
いつもと雰囲気が違う彼女に微笑みかけながら、なんてことないように答える。
「大丈夫だよ。やっぱり天気があんまり良くないし、万が一降られても、車ならそこまで気にしなくていい」
「ありがとう、新。 今日はお日様見てないものね。外のふれあいコーナーもあるし、なんとか堪えてほしいけれど…」
にこっと笑ったかと思うと、車窓から空を見つめてぽつりと言う。
「今日の麗花はいつもより更に綺麗だしね。濡れて乱れたらもったいない」
それはそれで…なんて不埒なことを考えて、すぐに打ち消す。
麗花の心を奪うのが先決なんだから、己の欲求に負けてはならない。