そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
それから十日も経たないうちに、その感想をしたためた手紙と、シリーズの十一巻と十二巻がまとめてソフィアの元へ届けられたのだ。
小説本の作者は魔族だったため、もしかしたら読んでもらえないかもしれないと危惧していたが、『主人公の考え方が時々鼻についたが、話の展開が面白くて、ページを捲る手が止まらなかった』といった好意的な感想にソフィアはホッと息をついた。
そんな感じで、自分の好きな本を送り合い、手紙は本の感想ばかり。
手紙の内容を聞いたマシューから、「婚約者というより、気の合う友人相手にするようなやり取りですね」と苦笑いされたが、友情を深めておきたいソフィアにとってはそれで十分なのだ。
「この前送りつけた本は、気に入ってくれたかしら」
呟きながらペーパーナイフで手紙の封を切り、綴られている内容に目を通す。
最近では少しだけクラウド王子の好む作品傾向がわかるようになってきて、自分で読んだことのある作品から彼が好みそうな展開を選んで送ってみたのだが……予想は大当たりだったようで、熱い感想が書かれてあった。
「良かった」と微笑みながら手紙を読み進めていき、ソフィアは「まぁ」と声を発した。