そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「姫様、クラウド王子から小包が届きましたよ」


小さな小包を手に部屋に入ってきた侍女に気付いて、ソフィアは真っ白な用紙に文字を書き連ねていた手を止めて、笑いかける。


「ありがとう」

「数日前にも贈り物が届いたばかりだと言うのに。王子は、ご自分と趣味が合う姫様をとても気に入られていらっしゃるご様子ですね」

「そんなんじゃないわよ」


ソフィアは苦笑いで否定するが、侍女は笑みを崩さぬままにテーブルへ小包を置いて、部屋を出ていった。

静かになった部屋の中、ソフィアはペンを置いて、届いた小包へ歩み寄る。


「ゲームで知ってはいたけれど、律儀な人ね」


小包を開封すると出てきたのは小説の本二冊と手紙が一通。

こうして贈り物が頻繁に届くのを知っている魔族たちから、ソフィアがうまく取り入って宝飾類を貢がせているなどと陰口を叩かれたりしているが、実際送られてくる物といったら、小説と手紙、それに時々お菓子がついてくるくらいだ。

半年前にシリーズの九巻と十巻をもらい、その後、それのお礼を兼ねて、本の感想をしたためた手紙と自分が好んで読んでいる小説の本を一冊同封して、クラウドの元へ送ったのだ。

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