そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

ソフィアの言葉を聞いてハンナも思い出し、「一年ほど前のことですね」と途端にどうしましょうといった様子で表情をこわばらせる。


「お父様、やっぱりお忙しいかしら」

「……それは、お伺いしてみるしかありませんね」


ソフィアはハンナの返事に頷いて、クラウドの手紙を封筒へ戻した。


「来月のことだもの早めに話をしておきたいわ。今からお父様のところに行ってみようかしら。お父様と直接お話ができなくても、マシューに話をしておきたい」


騎士団員や、図書館内で顔を合わせる人々はずいぶん態度が柔らかくなったけれど、王宮内を闊歩している貴族の大人たちからは、まだまだ冷たい態度をとられることが多い。

そのため、あまり王宮には立ち入りたくないが、ゼノンから声がかかるのをただ待っているよりは、自分から動いた方が無駄がない。

ゼノンの元に向かうべく早速部屋を出たソフィアを、ハンナはもちろん追いかけた。

屋敷を出て、森の中を進み、トラウマともなっている水蛇に襲われた池へ。

昔の自分は、この橋の向こう側は入ってはいけない場所だと恐れすら抱いていたのにと感慨深く思いながら、ソフィアはさくさく橋を渡り切った。

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