そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

いつもの騎士団の詰め所から図書館のある裏手へではなく、王宮の正面へ向かって進んでいく。

宮殿の中へ入るには、門扉をふたつ通らねばならず、ソフィアは強面の門番たちの前を緊張しながら通り過ぎた。

絵画や彫像が並ぶ廊下を、よそ見しながら先へと進んで行くと、大階段が現れる。

長い階段をやっと登り切り、今度は飾り気のない廊下をまた少し進んだ先に、ゼノンの執務室がある。


「お父様、いらっしゃるかしら」


大階段のせいで、わずかに息を弾ませながらソフィアが呟くと、ちょうど執務室の扉が開き、マシューが書類片手に廊下へ出て来た。


「姫様、どうしました?」

「良いところに! お父様とお話がしたいのだけれど」


ソフィアの訴えに、マシューはちらりと執務室の隣の応接室の扉を見て、わずかに渋い顔をする。


「せっかく来てもらったのですが、あいにくゼノン様は今取り込み中で」

「姫様、日を改めましょうか?」


ハンナに問われ、ソフィアは「うーん」と腕を組んで考える。


「ゼノン様にどのようなお話が?」

「来月のお父様のご予定を教えてもらいたくて」

「来月ですか? ゼノン様の予定はぎっちり詰まっておりますよ」


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