そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
講堂から廊下を通り、再び外に出る。
校舎を横目に見ながら進んでいくと、噴水やベンチに、寝転がれそうな芝生が広がる憩の広場が現れる。
広場から林の中を通り抜けた先に、校舎ほどではないが四階建ての大きな建物がいくつも建ち並んでいた。
入り口上部に第一館と書かれた看板が付けられていて、「あそこね」とソフィアはゼノンに話しかける。
頷いたゼノンと共に寮の中に入ると、寮母と思わしき年配の女性がひとりひとり確認しながら、鍵、もしくは手のひらサイズのクリスタルの玉を手渡しつつ、「男子は廊下を左へ、女子は右に進みなさい」と声をかけていた。
「私は右ね」
「いや。真っ直ぐだ」
言われてみれば、確かに廊下は右と左だけでなく、前にも真っ直ぐ伸びている。
寮母は、目の前に立ったゼノンが名乗らずともすぐに誰か分かったかのようにニヤッと笑い、差し出されたゼノンの手にクリスタルを乗せる。
「来たね。まさかこんな形でまた会えるなんて」
「しばらく世話になる」
「その姿を見ていると昔を思い出すね。何だか楽しくなりそうだ」
嬉しそうな寮母にゼノンは肩を竦めて、ソフィアを引き連れて他の生徒たちとは違う道へと進み出す。