そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「魔力研究って奥が深そう」
「その通り。だからこそやりがいがある」
ソフィアの呟きに、ゼノンがわずかに目を輝かせた時、室内からパタパタと足音が響き、短い廊下の先の手前にあった扉が開かれた。
「ゼノン様、姫様、お疲れ様でした」
やってきたハンナはゼノンに向かって緊張気味にお辞儀をしてから、ソフィアにニコリと微笑みかける。
「お荷物は全て運び入れ、先ほど片付けも終わりました。それから、イルバクト学長から小包が届いております」
ハンナの報告に「……嫌な予感しかしないな」とゼノンが眉根を寄せ、廊下を進む。
これから過ごすことになるのはどんな部屋かしらと、期待で胸を膨らませながらソフィアは扉の向こうを覗き込み、「わぁ!」と歓喜の声を上げる。
視界に飛び込んできた部屋は、自分の部屋よりも広く、テーブルや椅子はアンティーク調で高級感があり、ソファーも手足を伸ばしてゆっくりとくつろげるくらいどっしりと大きい。
「思っていたものとまったく違うわ」
ゲーム内で目にした寮の部屋の内装はもっと質素なものだった。
同じくアンティーク調の机とベッドにも目を向けて、「すごいわ」と呟いたソフィアだったが、途中である事に気が付き首を傾げた。