そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
事前に教えてくれていたら丁重にお断りしたのにと、ソフィアが頬を膨らませると、ゼノンが面白がるようにニヤリと笑う。
「父親と同室は不満か?」
血が繋がってないのだもの、同じ部屋で過ごしたら色々意識してしまうわと叫びたくなるのをぐっと堪えて、ソフィアはにっこり笑う。
「い、いえ。同室ならお父様とたくさんお喋りできるもの、とっても嬉しいわ……でも、ちょっとベッドが近すぎる気が」
「気にするな」
「気にします。年頃なので」
ソフィアとゼノンのやりとりを、ハンナは微笑ましげに見つめていたが、リンリンとドアベルがなったことで、「誰かいらっしゃいましたね」と慌てて部屋の入り口へと向かっていく。
やって来たのは第一館の寮長を務める三年生の男子生徒で、校内の案内をするからと呼びに来てくれたのだ。
ソフィアはもちろんだが、「校内に昔と違うところがあるなら把握しておきたい」とゼノンも一緒に部屋を出て、部屋の外で待っていた寮長と合流する。
寮長はゼノン国王がいることを前もって聞いていたらしく、緊張した面持ちでふたりを迎え、時々階段を踏み外しそうになりながら、先導するように螺旋階段を降りていく。