そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

同時に生徒たちのざわめきも大きくなり、どうしたのかしらとソフィアも少し背伸びをしながら視線を向けてギョッとする。

何かの建物の前に、人の背丈よりも遥かに大きな狼がいたからだ。

「あの建物はなんの建物ですか?」と新入生から質問を受け、寮長は良い質問だといった感じでニヤリと笑った。


「実は、なんの建物かは明確にされていないんだ。でも、イルバクト学長のお宝があるらしいって噂があって、なんでも金銀財宝がたくさん眠っているとか。建物の中は気になるだろうけど、番犬代わりの狼がいるから、命が惜しければ近づかないように」


寮長が身振り手振りで声を張り上げ説明する。

狼は鎖に繋がれているようだがそれだけでは心許ない。

下手に刺激をしたら鎖を引きちぎり襲いかかって来そうな迫力だ。

新入生たちから残念な声が上がれば、それに反応して狼が唸り声を上げた。

体を竦ませつつ、寮長は「先に進みます」と告げて足早に歩き出す。


「金銀財宝ですって。すごいわね」


ソフィアが素直に思いを口にすると、ゼノンが小さく噴き出し笑いをする。

その様子からソフィアはまさかと目を大きくさせた。

< 169 / 276 >

この作品をシェア

pagetop