そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
わからないところをナタリアと共に講師へ聞きに行ったり、夜、部屋にゼノンがいるときは教えてもらったりした。
そうして臨んだ試験の一週間後、一学年の教室が並ぶ校舎四階の廊下に、成績の順位が張り出され、生徒たちは大騒ぎとなる。
ざわつく廊下をゼノンと共に歩いていたソフィアの元に、ナタリアが笑顔で駆けてくる。
「ソフィア、すごいわ! 学年で二位ですって!」
「嘘!」
ナタリアに手を握りしめられたまま、ソフィアは大きく目を見開き、努力が身を結んだことに喜びを噛み締める。
「一位は誰?」
大抵はアルヴィンが一位で、ルートによってはクラウドだったりもするため、ふたりのどちらかだろうと思いを巡らせながらソフィアが問いかけると、ナタリアはちらりと掲示板の方を振り返りつつ答えた。
「メレディス・バンフィールドよ」
告げられた名前を聞いて、ソフィアは息をのむ。
この最初の試験でメレディスが一番になることはありえないのにと考えるものの、すぐに違うわと思い直す。
ゲームのヒロインのパラメーターはほぼ一桁から始まるけれど、今掲示板の前で嬉しそうに笑っているメレディスは違う。
子供の頃からコツコツ努力を積み重ねてきたソフィアと同じくらいの数値をすでに持っている。