そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
ソフィアの動揺の眼差しに気づいて、メレディスがゆっくりと歩み寄ってくる。
そしてソフィアたちの目の前で足を止めると、優雅にお辞儀をする。
「ソフィア、点数を確認しましたか? 三点差だったの。私、今回は運が良かっただけだもの、ソフィアにならすぐに抜かされてしまうわね」
「運だなんてそんな。メレディスが私よりも頑張っていた、ただそれだけよ」
メレディスの言葉の意図を読み取れないまま、ソフィアは首を横にふって否定する。
すると、メレディスの視線が自分の横へと移動したのに気づき、ソフィアもゼノンへと顔を向けた。
「……そうか、ソフィアが一位を取るだろうと思っていたから残念だ」
ゼノンが己の顎にそっと手を触れ、考えるような仕草でぽつりと述べた感想に、ソフィアはぎくりと体を竦める。
「まぁ取れなかったとしても、ソフィアを上回るのはアルヴィンくらいだろうと考えていたから、正直驚いた。確か、お前は武族出身だったな、ええと名前は……」
「メレディス・バンフィールドです!」
「あぁそうだった。覚えておこう」
ゼノンの期待に応えられなかったことにショックを受け、目の前で繰り広げられるゼノンがメレディスを認める光景に、余計に胸が苦しくなる。