そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

メレディスとゼノン、今、ふたりの目にはお互いしか映っていない。

彼女は着実にゼノンルートを進めているのだと考えれば、どう足掻いても破滅エンドは避けられないのではと怖くてたまらなくなる。

廊下に予鈴が鳴り響き、メレディスは「失礼します」と名残惜しそうにゼノンにお辞儀し、そしてこっそりと、ソフィアへ余裕たっぷりに微笑みかけてから、踵を返し歩き出す。

ゼノンもソフィアの隣を離れ、成績が発表されている掲示板へと歩み寄っていく。

ソフィアはその後ろ姿を追いかけたくなるが、「私たちも行きましょう」とナタリアに腕を掴まれてしまい、ぎこちなく頷き返した。

ナタリアと教室に向かう途中で、半魔族の生徒たちから「ソフィアおめでとう」と声をかけられ、ソフィアは「ありがとう」と笑顔で応えた。


「半魔族のみんな、誇らしげよね……それを言うと、私たち武族の方が盛り上がってるけど」


確かに、半魔族に関しては純魔族に見下されてきたこともある。

メレディスに負けたことは正直悔しかったが、自分の二位が半魔族の誰かの自信や希望に繋がっていたら嬉しいわとソフィアは考えを改めた時、廊下の先からこちらを見ている何人かの姿に気づき、思わず足が停止する。

< 195 / 276 >

この作品をシェア

pagetop