そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「……アルヴィン」


自分を見ていたのはアルヴィンを含めた純魔族の生徒数人で、不満を露わにした視線にソフィアの足が竦む。

急に足を止めたソフィアの視線をたどり、ナタリアもアルヴィンたちの様子に息をのむ。

しかし、すぐに「行きましょう」とソフィアを腕を掴んで、急足で教室へと向かった。

パタパタと足音を響かせながら、席に座って、ナタリアは大きく息を吐き出す。

いまだに動揺が収まらないソフィアの背中を優しく触れながら、ナタリアはもう一度ため息を繰り返す。


「純魔族のみなさんは面白くないわよね。特にアルヴィンは、一番を取れると豪語していたらしいし、結果三番だったなんて格好つかないわよね……でもだからと言って、ソフィアに八つ当たりすることないのに」


「アルヴィンが三番だったのね」とソフィアが確認すると、ナタリアは「えぇ」と頷く。

入学式前を含めてここ半年ほどアルヴィンとのんびり顔を合わせて話をする機会がなく、パーソナルデータを覗き見し、彼のレベルを確認できていない。

最後に見た時、アルヴィンのレベルは120だった。

ソフィアのレベルも、試験勉強をゼノンに見てもらったことでぐんと伸びて、今や135だ。

< 196 / 276 >

この作品をシェア

pagetop