そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「まだ起きていたのか?」
部屋に入ってきたゼノンと目が合って、ソフィアは一瞬動きを止める。
そしてパタリと本を閉じると、久しぶりに元の大人の姿に戻っているゼノンへと走り寄った。
「お父様、お帰りなさい」
ゼノンはソファーに腰掛けて「ふう」と息をつき、傍に立ったソフィアへ視線を向ける。
そして、そっと手を伸ばしてソフィアの頬に触れ、わずかに微笑みかけた。
「不安にさせていたようだな。すまない」
「王宮に戻ったと聞いたけど……」
何かあったのかと、立ち入った質問をしても良いのかわからず言葉を途切らせたソフィアに、ゼノンが言葉を紡ぐ。
「部下が数名怪我をしたらしく、様子を見に行ってきた」
「……そうだったのね。怪我の具合は?」
「問題ない」
「それならよかったわ」
大急ぎで戻ったくらいだから、よほど信頼している人々なのだろう。
そんな大切な部下ならば余計に問題がなくて良かったと、ソフィアはホッと息をつく。
部下のこともそうだが、ゼノンがこんなにも早く戻ってきてくれたことに安心し、心の緊張も解けたのか眠気がソフィアを襲う。
フワッとあくびをしたソフィアにゼノンは苦笑いし、ソファーから立ち上がる。