そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
ハンナの名前の横には『75歳、レベル188』と続き、下には『魔力属性、水。侍女(ソフィア教育係)、半魔族、恋人あり』とあり、最後の項目に目が点になった。
「こっ、恋人いたの⁉」
思わず呟くと、トレーにコップを乗せて向かってきていたハンナの足がぴたりと止まる。
その表情は顔色を失うほどに驚愕していて、言葉を失ったままじっとソフィアを見つめている。
触れてはいけないところに触れてしまったのを感じ、咄嗟にソフィアは枕元に常に置いてある絵本を手に取った。
「……ええと……違うわ。夢ね、すごく変な夢を見たのよ。この中に出てくる王子様に実は素敵な恋人がいて、私はとってもショックを受けてしまって」
「そうだったんですか。姫様はその本がお気に入りですものね」
絵本を掴んだ手を震わせながら苦し紛れに誤魔化すと、ハンナがホッとしたように笑みを浮かべた。
ソフィアも大きく安堵し、恋人の存在には触れないようにしようと心に決める。
今のはハンナの「パーソナルデータ」だと、ソフィアは女性の知識を通じて理解する。
ハンナが用意した白湯をソフィアが飲んでいると、下の階の方から「失礼します」と呼びかける声が聞こえてきた。