そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

ハンナの名前の横には『75歳、レベル188』と続き、下には『魔力属性、水。侍女(ソフィア教育係)、半魔族、恋人あり』とあり、最後の項目に目が点になった。


「こっ、恋人いたの⁉」


思わず呟くと、トレーにコップを乗せて向かってきていたハンナの足がぴたりと止まる。

その表情は顔色を失うほどに驚愕していて、言葉を失ったままじっとソフィアを見つめている。

触れてはいけないところに触れてしまったのを感じ、咄嗟にソフィアは枕元に常に置いてある絵本を手に取った。


「……ええと……違うわ。夢ね、すごく変な夢を見たのよ。この中に出てくる王子様に実は素敵な恋人がいて、私はとってもショックを受けてしまって」

「そうだったんですか。姫様はその本がお気に入りですものね」


絵本を掴んだ手を震わせながら苦し紛れに誤魔化すと、ハンナがホッとしたように笑みを浮かべた。

ソフィアも大きく安堵し、恋人の存在には触れないようにしようと心に決める。

今のはハンナの「パーソナルデータ」だと、ソフィアは女性の知識を通じて理解する。

ハンナが用意した白湯をソフィアが飲んでいると、下の階の方から「失礼します」と呼びかける声が聞こえてきた。

< 21 / 276 >

この作品をシェア

pagetop