そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
ソフィアの声にかぶさるように、ゼノンがふたりの座るベンチの後ろから現れ、クラウドとソフィアは数秒固まる。
「クラウド王子と、我が娘ソフィアの婚約の破棄を、今ここで私、ゼノン・アンドリッジが認めよう」
上機嫌で口上を述べたゼノンに、クラウドはまだ戸惑いの表情を浮かべたまま。
「国と国との約束事を破ろうとしているのですから、非難されても仕方がないのに。すみません」
「謝らなくていい。望まぬ婚姻など枷でしかないのだから、ケットジア国王には私から直接話をつけよう」
ゼノンは優しくクラウドの肩をたたき、おまけににこりと笑いかける。その光景を苦笑いでソフィアは見つめた。
クラウドとはそこで別れて、ソフィアは上機嫌のゼノンと並んで寮へと戻っていく。
「クラウド王子はソフィアを気に入っている様子だったから、どうやって婚約破棄させようか悩んでいたが、まさかこのような展開になるなんて」
少し浮かない顔をしているソフィアをちらりと見て、ゼノンは浮かべていた笑みを引っ込めた。