そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
店内に張りつめていた空気が徐々にやわらいでいったところで、ソフィアは自分の制服を確認し、ゼノンに話しかける。
「ありがとう。おかげでびしょ濡れにならずに済んだわ」
「帰ってきたら門番からソフィアが街へ出ていったと聞いて、探したぞ。買い物に出る予定だったのなら、事前に伝えておけ。心配するだろ」
「ごめんなさい」
ハンナにも同じようなことを言われたなと苦笑いした後、心配したというゼノンの言葉を嬉しく思ってしまった自分に、ソフィアはさらに笑みを深めた。
ソフィアがチケットを使ってお持ち帰りのカップケーキをふたつ注文すると、ゼノンがそれに十人前ほど追加で注文を入れる。
そして、ゼノンが「皿の分だ」と色をつけて代金を払った後、「迷惑をかけたな」と気遣いの言葉を残して三人で店をでた。
歩きながら、ソフィアはハンナが持っているカップケーキ入りの大袋をじっと見つめる。
「買いすぎでは?」
「いや。今夜イルバクト学長が来る予定だ。好物だから食べるだろう」
「でしたら、お酒も準備しておいた方がよろしいのでは?」とハンナに提案され、ゼノンは「そうだな」と頷く。