そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

気恥ずかしくて頬を熱くさせながら正直にソフィアが告げると、ゼノンが驚きで目を大きくした。


「誘ってくれないから、俺はてっきり別の誰かとパンケーキを食べに行くのかと思っていた」

「いっ、いえ。私はお父様を誘おうと考えていたのだけれど、お忙しいみたいだったから」


メレディスとゼノンのやりとりを思い返しながらソフィアが理由を述べると、ゼノンがふっと目を細め、美麗に微笑んだ。


「いや、ソフィアが誘ってくれたなら喜んで受けたさ。時間など作ればなんとかなる。気をつかうな。俺はお前の我儘くらいいくらでも聞いてやるつもりでいるのだから」


ゆっくりと近づいてきたゼノンに、耳の近くでそんなことを甘く囁かれ、ソフィアは思わず息をのむ。

ぎこちなく視線を向ければ、すぐそばに澄んだ瞳。

思わず足が後退しかけたが、ゼノンに素早く腕を掴まれ、ついでに腰にも手を回され、ソフィアは逃げられない。


「……ちょ、お父様、距離が近いです」

「今まではクラウド王子に気を使っていたが、婚約が無事破棄されたのだからその必要はもうない。もうソフィアは完全に俺のものだ。お父様呼びもやめていいぞ」


< 220 / 276 >

この作品をシェア

pagetop