そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

言い終えると同時に、ぐっと腰を引き寄せられ、勢いのままにゼノンの胸へとソフィアは倒れ込む。

しかしすぐに、ソフィアは両手を突っ張って、ゼノンから距離を置いた。


「私はあなたの娘として認識されているのに、そんなこと周りが許してくれるのかしら」

「武族との友好の証としての婚約でもあったから、俺の兄の周辺はもちろん反発してくるだろうが、クラウドの気持ちもあるし、なんとかなるだろう」

「……でも、私を早く厄介払いしたそうだったわ」


昔、クラウドとの初顔合わせ前に、「婚約を待たずに早く武族に渡してしまえ」と言われたのを、ソフィアは今もたまに思い出しては悔しくなるのだ。

俯いたソフィアに、ゼノンは静かに、でも真剣な面持ちで話かける。


「あっちは、俺を早く王の座から引き下ろしたいんだ」

「……そ、そんな」


物騒な話にソフィアは顔を強ばらせる。

「そんなことはさすがにないわよ」と続けたかったけれど、モーガンの自分を見下す高圧的な眼差しを思い出せば、否定できなくなる。


「手っ取り早いのは俺を殺して王座を奪うこと。でも俺はそう簡単にやられない。奇襲を仕掛けてきてもきっちり返り討ちにするだけだ。……だから、あっちは俺の周りから崩していこうと考えたみたいだ」


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