そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
教師の語気がだんだんと荒くなっていくにつれ、生徒たちもハラハラとした面持ちになっていく。
そんな中、ソフィアは半笑いで「私、これでも一応、国王陛下の娘なんですけど」と小声で訴えかけた。
「アルヴィンには優秀な男がついていただろう。その男を外したのが大きな間違いだ。そもそも努力を嫌がるアルヴィンに、ソフィアが負ける理由がない」
「……ルイスを知っているようですね。でも、同じく人を教える立場にいる私から言わせると、彼は言うほど優秀じゃありませんよ」
ルイスを見下す発言に、ゼノンがすっと眼差しの温度を下げた。
それからニヤリと口元に笑みをたたえ、それを見た教師が怯えたように身を引く。
「何を言ってる、お前、いつもルイスに負けていたくせに。学生の時の試験も、そして卒業後、アルヴィンの家庭教師としての採用試験も」
「なっ、なんで知ってる⁉」
「よく知ってるぞ。そう言えば、お前は俺にも勝てなかったな」
自分を知っている発言に教師は完全に顔を強張らせる。
「おかしなことを言うな。俺はお前など知らない……似ているやつは知っているが」
教師の頭の中にゼノンの顔がチラついて仕方ないらしく、鬱陶しそうに顔を顰めた。