そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
「また広場で楽しく語らえば、思い出すかもしれないな。なぁ、デリク」
しかし、ゼノンに名を呼ばれると同時に、デリクは完全に顔色をなくす。
「改めて言う。なぜこの俺がアルヴィンを教えなくちゃいけない」
デリクはソフィアとゼノンを交互に見て、少年の姿をしてはいるが彼がゼノン・アンドリッジ国王その人だと完全に気づいたらしく、唇を震わせる。
「……きょ、今日の授業は自習にする」と告げて、足をもたつかせながら教室を出ていった。
「あいつこそ、人を教えるのに向いていない。そもそもソフィアの教科担任として不適切だ。このクラスから外すようにイルバクト先生に言うとしよう」
火魔法の教科担任が苦手だったソフィアはもちろん、他の生徒たちもデリクに思うところがあったらしく、一気に歓声が上がったのだった。
ゼノンに実技の教えを乞うたり、お喋りだったりと、それぞれに過ごしているうちに授業時間が終わり、生徒たちは教室を後にする。
ソフィアも試験が終わったためたっぷり本を読みたいと、図書室のある一階でナタリアと別れ、ゼノンと共に廊下を進んでいく。
「もうすぐ長期休暇なのね」
試験が終われば前期が終了し、約一ヶ月後に後期の授業が始まる。