そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
それから事あるごとに、「姫様はそれでいいのですか? 復縁したいというお気持ちはございませんか?」と聞かれるため、ソフィアはその度、「かまわないし、まったくないわ」と繰り返すことに、少しうんざりしていたのだ。
婚約破棄の話が続かなかったことにホッとしつつ、ハンナに髪飾りをつけてもらってから、ソフィアは真っ直ぐゼノンの元に向い、「どうかしら?」とくるりと回ってみせた。
ドレスから靴、ネックレスに髪飾りまで、全て用意してくれたのはゼノンだ。
そんな彼に、与えてよかったと思える仕上がりに自分がなっていることを願いつつ、ソフィアは返答を待った。
「……あぁ、可愛らしい」
ゼノンからの優しく目を細めての返答にソフィアは嬉しそうに微笑み、マシューは苦笑いし、ルイスは冷淡な男が見せた普段と違う一面に驚きで目を見開く。
そこでドアベルが鳴らされ、素早く扉へと向かったハンナがほどなくして室内に戻ってきて、「ナタリアさんが迎えに来られました」と報告する。
「もうそんな時間なのね。それじゃあ、私は先に行くわ」
生徒たちはまず自分の教室に集合し、パーティー会場となる講堂にクラスごとに入場することになっている。