そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

全生徒が講堂へ入場した後、しばらく生徒たちの喋り声で賑やかだったが、イルバクト学長に続いてふたりの人物が入場したことで、保護者たちが大きくざわつき出す。


「まさか両国王がお揃いになるなんて」


どこかから発せられた言葉通り、ケットジア、そしてロッシュドギアの国王が姿を現したのだ。

さっきまで少年の姿だったため、そのまま来るものだと思っていたソフィアは、しっかりと大人の姿に戻っているゼノンにしばし呆気に取られる。

来賓の席へと進んでいく途中でゼノンの視線がソフィアを捉え、ニヤリと笑いかけてきた。

その表情から面白がっているのが伝わってきて、最初から姿を戻す予定だったのにわざと教えなかったのねと、ソフィアは少しだけ頬を膨らませる。

イルバクト学長は演台に立ち、ふたりの国王が来賓席へ到着したのを確認してから、嬉しそうに生徒たちに微笑みかける。


「このような場に、ケットジア、ロッシュドギアの両国王陛下が列席くださることは珍しく、貴重なことである。みなさんは運がいい」


保護者や上級生たちとはまた違ったざわめきが、特にクラスメイトたちの間で起きているのをソフィアは感じ取って、苦笑いと共に俯く。

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