そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
クラウドから冷たく吐き捨てられた言葉に、ソフィの体が竦む。
なんとか誤解をときたいと思うが、彼から向けられた怒りに恐怖を覚え、言葉が出てこない。
不意にクラウドがふらつき、彼の胸元に下げられてあるネックレスの黒い宝玉がきらりと輝いた。
それにわずかに寒気を覚えると同時に、クラウドの瞳の奥でも同じ黒い輝きが微かに揺らいだ気がして、違和感を覚える。
「……クラウド、私は大丈夫よ……どうか、ソフィアさんを責めないで」
弱々しくソフィアを庇うメレディスの声が響いたのを境に、講堂内の空気が一変したように感じ、ソフィアは再び背筋を震わせながら周囲を見回し、ぎくりとする。
クラスメイトを始め、生徒たちに保護者たち、そしてイルバクト学長やケイト先生までもが、罪人を見るような目つきでソフィアを見つめている。
重苦しい空気の中、人々にまとわりつくように黒い影がちらついていて、広場で見た凶暴化した犬を思い出す。
闇の魔力の気配に恐怖を覚え、身を震わせたソフィアからゼノンの手が離れた。
ハッとして顔をあげれば、ゼノンとわずかに目があって、心臓をつかまれたように胸が苦しくなる。