そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
それは子供の頃を彷彿とさせる冷たい眼差しで、軽蔑されてしまったという思いにソフィアの目に涙が浮かぶ。
「……信じてお父様。私じゃない……お願い」
声を詰まらせながら訴えかけた声はあまりにもか細くて、自分のそばを離れるように歩き出してしまったゼノンには届かない。
心細さと共に周囲を見回すが、気がつけばナタリアやクラスメイトたちからも少し距離を置かれていて、アルヴィンは「最低な女だ」と顔を歪める。
コックの男を捕らえているマシューも保護者たちのいる後方に立っているルイスも、愛想を尽かしたような顔でソフィアを見ていた。
「みんな、違うわ。私、本当に毒なんて知らないの」
完全にひとりぼっちになってしまった。
それどころか、周りが自分に敵意を抱いているのが痛いほど伝わってきて、怖くて動けない。
ゆっくりと進んでいたゼノンが足を止めたのは、イルバクト学長に体を支えられているメレディスのところで、「毒の具合は?」と問いかけながら、彼女の傍らに片膝をつく。
メレディスは自分の元に来てくれたゼノンへと嬉しそうに微笑みかける。
「イルバクト学長のおかげで、助かりました」
「……娘が大変申し訳ないことをした」
「いいのです。あなたに免じて、彼女のしたことを私はすべて許します」