そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
『トンギンク・リーチ。214歳。レベル255。魔力属性、光。王宮医療師。半魔族。バツ5』
バツ5という点も非常に気になるが、それよりも純魔族だと思っていた王宮医が、自分と同じ半魔族だったことに思わず動揺する。
それならもう少し親身になって診察してくれても良いのにと王宮医に文句を言いたくなるのをぐっと我慢し、マシューが善人すぎるのねとソフィアは自分の中で結論づけたのだった。
それから三日間、ソフィアはベッドで過ごしながら、これから起こり得ることについてぼんやり考えていた。
何度自分の情報を確認しても、そこから転生者という文字は消えず、その度、乙女ゲーム『メレディスの祝祭歌』の内容が脳裏にちらつく。
ゲームの主人公メレディスは武族の平民出身の少女。
武族ではあるが剣術よりも魔法の才能の方が優れているような珍しい存在。
そして彼女が十六歳の時、ケットジアとロシュドギアの国境となっているグランス大河の中洲に建てられた三学年制のミルドフキローアカデミーへ入学したところから物語は始まる。
これはかつてのケットジア王のミルドフと、ロッシュドギア王キローが、両国の友好関係の持続を目的とし建てたもので、武術と魔術のどちらも基礎から専門的なことまで学べる場所であることから両国から優秀な人材が集まってくる。