そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?
二章

転生前の記憶が蘇ってから半年、悲惨な未来を回避すべく、今日もソフィアは勉強に勤しんでいる。

紙へ一心不乱に文字を書き連ねていた手を止めて、ふうっと大きく息をついてから、文机を離れて伸びをした。

そして本を持つかのような仕草で両手を広げて意識を集中させると、パーソナルデータが浮かび上がってくる。

それなりにこの世界の文字を読み書きできるようになり、15しかなかったレベルも先日やっと20に到達したところだ。

そしてレベルが20になったところで、新たに見られるようになったものがある。

パーソナルデータの項目の下に点滅している矢印に現れ、それに触れることでソフィアは自分のパラメーターも確認することができるようになったのだ。

学力、魔力、体力、魅力に分けられていて、ここまでは乙女ゲーム『メレディスの祝祭歌』と同じだが、ソフィアのパラメーターは魔力の項目に関してのみ、さらに火、水、土などと細分化されている。

出来ることが増えたことに驚きとわずかな喜びを感じたけれど、魔力の能力値は一桁ばかりで、あまりの低さにソフィアの顔から笑顔が消えていく。

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