そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?

もう少し着飾った方がと侍女たちから言われたが、宝飾類はイヤリングとネックレスのみを希望し、できる限り控えめにしてもらった。

それもこれも、『メレディスの祝祭歌』でのクラウドは、派手な女性があまり好みではなかったためだ。

魔族嫌いでもあるクラウドとの友好関係を築くために第一印象はとっても大事であり、二年後に入学を控えているミルドフキローアカデミーへの入学前に失敗するわけにはいかない。

「さぁ、中へどうぞ」と差し出されたマシューの手を取って、ソフィアは馬車の中へ乗り込もうとしたが、途中で足を止めて、王宮を振り返り見た。

執務室の窓に父の姿が見えたような気がして、そちらに向かって手を振ってから、改めてマシューの手を借りて馬車に乗り込む。

ソフィアは続けて乗り込んできたハンナと向かい合わせに腰掛ける。それを確認するように中を覗き込んできたマシューが苦笑いした。


「ゼノン様が姫様のことを大変気にされていましたので、見送りにいらっしゃったらどうですかと申し上げたのですが、来ませんでしたね。あぁそうそう、何かあったらすぐに席を立って、そのまま王宮に戻ってこいとゼノン様より言伝を賜っております」


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