王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます


そう言って掴みかかろうとしてきたところで誰かが咳ばらいをした。

その方向を見ると、ズィウン先生がこちらを咎めるように見ていた。

それで我に返ったのか、レイチェルは周りを見渡し、今度は顔を青ざめさせた。


いつの間にか注目を集めていたようだ。

エントランスホールにいる全員がこちらを見ていた。

「あ、あの、こ、これは」

「それ以上続けるのなら、今すぐ寮に帰りなさい」

ズィウン先生はそれだけ言うと目を逸らし何事もなかったように、入学式が行われる会場へとみんなを誘導し始めた。

レイチェルは、大勢の前で叱られたことにルージュへの怒りをさらに募らせた。
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