アイドルと私。
「いぇーい、ハッピーメリークリスマス!」

どこから出してきたのか。玄関の扉を開けると同時にクラッカーを鳴らし、優衣たちへ向けて放った。

「わ!びっくり!ってえぇー!!!」

そりゃビックリもするよね。いきなりクラッカーを鳴らされた挙句、鳴らしたのは

「ちょっと待って!直樹?まさかそんな訳…そっくりさん!?え、でも直樹…?」

まだ玄関にも入ってない優衣の腕を引っ張りながら、

「ちょっと落ち着いて。一旦中入ろ?良くんもとりあえず中入ろ?」

良くんは余程クラッカーに驚いたのか、先程から一言も話さない。玄関の扉を閉めると

「そっくりじゃないよー。正真正銘俺は直樹だよー。初めまして、優衣ちゃん。」

キラっとアイドルスマイルを見せれば

「もしかして紗莉先輩の彼氏って直樹だったの!?あ、しまった、ついいつもの癖で呼び捨てにしちゃってる…直樹さんごめんなさい。」

「いいよー、直樹でいいよ。」

えーっと…何からどうすればいいのやら…雅人くんと幸一くんはリビングで待ってもらってるし…

「あのね、優衣。とりあえずここで話すのもなんだから、リビング行こ?」
< 145 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop