アイドルと私。
「んっと確か…お姉さんへのプレゼントを買いに来て、私が接客したの。」

「でもそっからどうやって親密に?だってそれは普通のスタッフと、お客様じゃないですか。」

優衣の鋭い指摘に、お酒を喉に流し込みながら

「その時LINEのIDを渡されてね、お礼の連絡を入れたの。」

と、このタイミングでインターホンが鳴り、リーダーの寛也くんと、その彼女さんが到着された。それぞれ自己紹介をし、2度目の乾杯。寛也くんの彼女さんは、何も聞かされてなくて、だけど私でも知ってる女優さん。小さくて、細くて、可愛くて。透明感が凄くて、ずっと掴んでいないと逃げていきそうな儚げさがあって。そんな彼女さんを愛おしそうに見つめる寛也くんに、私と優衣は大興奮をし、メンバーの人達はこんなリーダーは見たことない!と心底驚いていた。

「それで続きは?LINEはなんて送ったんです?」

一区切りついた後、また優衣からの質問攻めが始まった。お酒も進み、美味しい料理で凄く楽しそう。そんな優衣を心配そうに時折様子を見に来る良くんは、優衣の事を大切にしていてくれて、私も微笑ましい。
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