アイドルと私。
あーでもない、こーでもないと言いながら次々に手に取った商品を私にあてて選んでくれる。

「よし、これ着てみてくれる?」

一通り見て回って選ばれたお洋服を持ち、試着室に向かう。

渡されたのはワンピース。明るいピンクのシフォン素材で、首元はUネックのノースリーブ。インナーには首元はレースがあしらわれてるアイボリーのキャミソール。可愛い。トップスから若干インナーの首元のレースが透けてて、いやらしくなく、上品な感じに仕上がる。スカート部分はプリーツが効いてて、これまた可愛い。

「紗莉ちゃん、どう?着替えれた?」

うっとり見とれていたら、外から声を掛けられて、

「あ、ごめんね。今出るね!」

と声をかけ、試着室から出ると

「わ!紗莉ちゃん思った以上に可愛い!超似合う!可愛い!可愛い!!!」

素直過ぎる反応に一瞬戸惑うも、これが雅人くんの良さなのかな?って思って、

「んふふ。ありがとう。私もこのワンピース可愛くて気に入ったの。選んでくれてありがとう。これ買っちゃおうっと!じゃあ着替えるからまた後でね?」

そう言うとくしゃっと笑ってうん!って全力で頷いて試着室の前を去っていった。

ドキっ…。

ん?ドキ?え、なんで?あまりにも嬉しそうな笑顔を向けてくれたから?あ、あれかな。私も自分がチョイスしたお洋服を、お客様が気に入って購入してくれたらすっごく嬉しいもん。それを見れたから私はドキッとしたのかな…?
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