旦那様は征服者~孔明編~
「━━━━孔明って、そんな表情(かお)もするのね」

通話を切り、伊丹に投げるようにスマホを渡した孔明。
また天井を見上げて、切なそうに顔を歪めた。

「そんな顔?」
「えぇ…そんな顔。
愛しくて、苦しくて、今も会いたくて堪らない。
牡丹とひとつになれる方法があるなら、何を失っても構わない。
…………って、顔」

「フッ…わかったことを言うな。
今、邪魔をしてるのはお前だろ?」

「そうね…
……………大丈夫よ。
“今日で最後にするから”」


「あぁ…そうだな……
今日で最期だ………!」



ホテルのスイートルーム━━━━━━

孔明とリコは、ソファに並んで座っている。
煙草を咥える孔明の腕に絡み、上目遣いで見上げるリコ。

「リコ、情報は?」
「これよ」
USBメモリを、テーブルに置いた。

「大臣達か?」
それを取り、手の上で転がす。

「えぇ、さすが孔明!察しが良いわ。
…………やっと、落とせたのよ」

後ろに控えていた伊丹に渡す。
伊丹が、ノートパソコンで中身を確認する。

そして、孔明に見せた。
「へぇー!これが、国のトップ達の裏の顔か…」
「えぇ」

汚職や数々の犯罪が、映し出されていた。

「リコ、これどうやって手に入れた?」
「え?」

「大臣達もバカじゃない。
ここまでの情報、そんな簡単に手に入るとは思わねぇ」

「…………さすがね、孔明」
リコが妖しく笑う。
そして、もう一つUSBメモリを出した。

孔明が、伊丹に目ふせする。
USBの内容を確認して、映し出した。

もう一つは、花神組のあらゆる情報が入っていた。

「………」
「凄い情報でしょ?
大臣と、取引したの。この中の情報と交換してって!」

「……………で?何が目的だ?」

「そんなの、決まってるわ。
“皇木 孔明”よ。
当然でしょ?
私は、貴方に全てを捧げたんだから。
もちろん、奥様と別れてなんて言わないわ。
今までみたいに、定期的に貴方に愛されたいだけ。
私を今までのように愛してくれたら、この情報は破棄するわ!
大臣達にも、決して漏らさせない」

「愛されたい?」

「えぇ」

「俺は“最初から”牡丹しか愛してない」

「え?」

「お前、俺に抱かれててそんなことも気づかなかったのか?
まさかお前、俺とのセックスに愛情を感じてたのか?」

「だって、あんな……/////」

「信じられないかもしれないが……俺はな。
牡丹と初めてキスしたのも、セックスしたのも籍を入れてからだ。
それまで、一切手を出してない。
バカなお前でも、さすがにわかるよな?
それが、どんな意味をもつか」

孔明は、鋭い目でリコを見ていた。
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