旦那様は征服者~孔明編~
ベッド脇に腰掛け、牡丹の頬を撫でた。

愛しくて堪らない━━━━━

孔明は、自分の呼吸が整っていくのがわかった。

牡丹と離れていると、本当に息の仕方がわからなくなるのだ。
上手く呼吸ができなくて、自分がわからなくなる。


牡丹の頬を撫でながら、話しかける。
「牡丹」
「………」
「愛してるよ」
「………」
「誰よりも」
「………」
「お前の為なら……」
「ん…」
「何でもしてやる」
「こ…め…さ、ま…」

「本当に何でも……!」

ゆっくり目蓋が動きだし、牡丹が目を開けた。
「んんっ…孔明、様…?」
「おはよ」

「あ、おはようございます…
孔明様…綺麗……」
カーテンの隙間から入る朝日が孔明を照らし、牡丹は孔明の頬に手を伸ばして呟いた。

「綺麗なのは、お前だ……!」
二人の口唇が自然に重なる。


それから朝食を食べている、孔明と牡丹。
「孔明様」
「ん?」
「ちゃんと、睡眠とりましたか?」
「車の中で寝た」
「え?じゃあ、デートはやめておきますか?」
「何故?」
「孔明様に負担をかけたくないので……」
「行きたいんだろ?
イケメン店員のパンケーキの店」

「あ…いや…イケメン店員はどうでもいいんです。
あのパンケーキを孔明様と食べたいなって…!」

「じゃあ、連れていってやる。
まぁでも、イケメン店員はいないがな!
貸切りで、店員も女にした」

「女………その店員さんは、美人さんですか?」

「………牡丹?」
「フッ…!!!」
孔明と伊丹が目を見開き、伊丹が噴き出した。

「牡丹。
お前、嫉妬してんの?」

「え?あ、いや、その…ち、違います////!」
しどろもどろになり、動揺する牡丹。

「本当に?」
孔明がテーブルに頬杖をついて、牡丹の頬に触れた。
「…………ごめんなさい…本当は、嫉妬しました」

「フッ…可愛いな、お前。大丈夫、俺はお前しか見てない。
…………って言っても、言葉じゃ信用できねぇよな?
店員をいないようにしたいが、そんなわけにはいかねぇからなぁ。
でもまぁ、できる限り店員を俺達の所に来させないようにしような」

「はい…」

牡丹が自分のことで嫉妬をするなんて、とても喜ばしいことだ。

孔明は心底嬉しそうに、牡丹を見つめていた。
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