クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
喫茶店に向かう道中ずっとこんな感じで、
終始小春は楽しそうに微笑み、
おかげで緊張感を持たずに喫茶店の駐車場まで来れた。

運転席に修哉が、助手席に泉が座り後部座席で小春は2人の戯れ合う様子を見ていた。

駐車場に着いて、やっと泉が弁護士らしい話をし出す。
喫茶店での段取りと小春の話すべき内容を言うべき言葉と、言わない方が良い言葉を伝える。

「修哉は、後ろのテーブルで聞いてろ。
絶対話しに入って来るな。
帰るまでじっとしてろよ。向こうから見たらお前は1番邪魔な存在なんだから、あんまり刺激しない方が身のためだ。」

「…分かった。」

「小春ちゃんの話しが終わったら連れて帰っていい。後は俺が諭して丸め込むから任せて。」

「分かりました。よろしくお願いします。」
ペコリと頭をさげる。


「小春、今からは絶対笑っちゃダメだよ。
今日は可愛いを自重しなきゃいけないから、こいつにも笑顔見せるな。」
修哉が念をおす。

「なんだよ。俺はいいだろー。」

「こいつは善人の顔をした悪魔だと思え。」
真剣な顔の修哉に思わず笑いそうになり、堪える。
「わ、分かりました。気をつけます。」

修哉が小春の頭をポンポンと優しく撫ぜて、
「じゃ。行こう」

3人は車を後にした。
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