クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
喫茶店はこの時間空いていてお客は少ない。

今は約束の15分前、支店長まだ来ていない。

4人掛けのテーブルに奥に泉、通路側に小春が座る。
後ろのテーブル席に修哉は座りスタンバイする。ちょうど座ると目線ぐらいの衝立があり修哉の方からはこちらの様子が見えない。

「俺、横の机じゃダメ?
ここだと様子が見えないと不安なんだけど。」

「このさえ今は、お前の不安は無視だ。
俺が小春ちゃんを守るから大丈夫だ。
お前は排除されなかっただけ良かったと思え。」

「はぁ。俺が依頼者なんだよ。依頼者の扱いなって無いだろ。」

「お前は話し声が聞こえるくらいでちょうどいいんだよ。
絶対、衝動的に手がでるだろ?
法の上じゃ、先に手を出した方が負けなんだ。逆に訴えられ兼ねないからな。」

「俺はそんなに喧嘩っ早く無い。
なんなの俺のそのイメージ。小春にも前に言われたんだけど。」
ふくれっ面で修哉が言う。

「あ、あの、今階段を上がって来てます。お二人お静かにお願いします。」
小春が慌てて言う。

一気に緊張感が増す。
久しぶりに見た支店長は若干奴れても見える。手が震える。
「小春ちゃん大丈夫だよ。
俺が居るからね。」
泉がどさくさに紛れて小春の手を一瞬ぎゅっと握る。

「おい。小春にベタベタ触るな。」
修哉が小声で訴える。

「お前はこっちを見るな。」
小声で小競り合いが続きそうになる。

チリリンと、喫茶店のドアの鐘がなり支店長がお店に入って来た。
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