クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
玄関に付いてカードキーをかざすと鍵が開く。見るもの全てが初めてで、その度小春は目を丸くする。
それを見て修哉は可笑しそうに微笑む。

「実はうちの両親中学の時に離婚して、それで母方の実家に引っ越したんです。」
そう言えば苗字が変わってた事、
先輩から聞かれなかったからそのままになってたな。
ちゃんと話さなくちゃと思う。

「お邪魔します…」
玄関がアパートのリビングぐらいの広さがある。
「だから、苗字が変わってたのか。」

「ごめんなさい。初めに話しとけばよかったですね。もしかして気にしてましたか?」

「まぁ。結婚してるのか?って初め会った時思ったけど」

「母は、私が20歳の時に再婚して、赤ちゃんが生まれたんです。3歳になります。
母の幸せを邪魔したくなかったのもあって、家を出たんです。」

「小春は自分の親にまで遠慮してるのか。
はぁー。もっと早くに出会えてれば良かったのに。それだけが悔やまれる。」

玄関を入ると、廊下があってリビングに繋がっている。修哉がドアを開けると、

一面のガラスに夜景がすっぽり、まるで絵画のようだった。
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