財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
すると彼女は首を左右に振り、淡水パールが連なるイヤリングが揺れる。
「そんなことないです。中間くらいなら」
俺はコンシェルジュの代わりに入ってきた黒服のスタッフに尋ね、ブルゴーニュ産の中甘口があると聞きそれに決めた。
中甘口と言っても中辛口に近いもののようで、真剣にシャンパンの説明を聞く紗世にとって新しい味わいになるだろう。
謝恩パーティーの話を振るが、さほど面白くはなかったようだ。だが、ドレスアップした綺麗な紗世は注目を浴びたのではないだろうか。
そこへ先ほどのスタッフがシャンパンをワゴンで運んできた。頼んでいた通り、下のスペースに午後に選んだビロードのような花びらのバラの花束と、卒業祝いのプレゼントが用意されている。
シャンパンを注いだスタッフは俺に花束を手渡し、テーブルにプレゼントを置いた。
腰を上げ、テーブルの向こう側にいる彼女に近づく。
「紗世、卒業おめでとう。慎一が生きていたら心配で仕方がないだろう」
かわいい妹を自慢していた慎一だ。今の彼女の姿を見たら、悪い虫がつくのではないかとさぞ気掛かりだっただろう。
「月並みだが、バラを選んだ。この花束が似合う女性になったな。華道家に言うのもおかしいが」
椅子から立った紗世は、恥ずかしそうにバラの花束を受け取った。
「そんなことないです。中間くらいなら」
俺はコンシェルジュの代わりに入ってきた黒服のスタッフに尋ね、ブルゴーニュ産の中甘口があると聞きそれに決めた。
中甘口と言っても中辛口に近いもののようで、真剣にシャンパンの説明を聞く紗世にとって新しい味わいになるだろう。
謝恩パーティーの話を振るが、さほど面白くはなかったようだ。だが、ドレスアップした綺麗な紗世は注目を浴びたのではないだろうか。
そこへ先ほどのスタッフがシャンパンをワゴンで運んできた。頼んでいた通り、下のスペースに午後に選んだビロードのような花びらのバラの花束と、卒業祝いのプレゼントが用意されている。
シャンパンを注いだスタッフは俺に花束を手渡し、テーブルにプレゼントを置いた。
腰を上げ、テーブルの向こう側にいる彼女に近づく。
「紗世、卒業おめでとう。慎一が生きていたら心配で仕方がないだろう」
かわいい妹を自慢していた慎一だ。今の彼女の姿を見たら、悪い虫がつくのではないかとさぞ気掛かりだっただろう。
「月並みだが、バラを選んだ。この花束が似合う女性になったな。華道家に言うのもおかしいが」
椅子から立った紗世は、恥ずかしそうにバラの花束を受け取った。