財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
 急に積極的になった彼女は俺の手の甲に手を重ねる。細い指だ。

 俯いている紗世は重ねた手を滑らせ、指の間に指を差し入れてそっと握る。

 どういうことなんだ?

「紗世? 酔っているのか?」

「京極さん、私、お酒を飲むと……したくなるんです」

 は? したくなるとは、セックスのことか?

「紗世?」

 恋人はいないと言ったが、彼女は今までもそんな関係を男と?

 嫉妬が胸の内を覆い、もしそうならばと腹が立ってきた。

「……もっとお酒……飲ませてください」

 そんな蜜のような甘い声で頼むのかと、今日は紗世に驚かされてばかりだ。

 紗世は俺に抱かれたいと思っているようだ。

 本当に彼女は俺と……?

 彼女の大胆な発言や行動は少し大根役者のような感じがするのも否めない。

〝したくなる〟と言った次の瞬間は〝飲みたい〟。どうにも支離滅裂じゃないか?

 だが、俺も相当紗世に欲情している。

 彼女がセックスしたいのなら我慢しない。

 紗世がメニューをもらうために呼んだスタッフに、部屋を用意するように伝えた。
< 107 / 113 >

この作品をシェア

pagetop