財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
三日後の水曜日。夕方、宅配便で届く招待状を事務所で待っていたが、まだ届かない。

 思わずため息を漏らすと、三十代の女性事務員、工(く)藤(どう)千(ち)鶴(づ)子(こ)さんがキーボードを打つ手を止めた。

 ほかの事務員はあと五人いるが、師範の彼女たちは用事のあるときだけ出社し、常時いるのは工藤さんともうひとりいたが、つい先週辞めている。

 最近では工藤さんと私が事務処理をしていた。

「届かないですね」

 私のため息に、彼女は招待状の件なのだろうと見当をつけたよう。

「今日から宛名を書き始めないと……」

「どこの宅配業者で送っているのか聞いてみたらいかがでしょうか?」

「そうですよね。電話してみます」

 デスクの一番上の引き出しを開けて中山社長の名刺を取り出し、電話をかけてみる。

 呼び出し音を十五回ほど鳴らしたが、通じずに通話を切る。

「出られませんでしたね……」

「出先かもしれないですし、メールを打ってみます」

 中山社長のアドレスにメッセージを入れて送るが、二十時まで待っても返事はこなかった。
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