財界帝王は初恋妻を娶り愛でる~怜悧な御曹司が極甘パパになりました~
「大人をからかうんだな」

 組み敷いた私の体が反転し、京極さんの上に乗せられていた。

 びっくりしたが、京極さんの顔を見ないようにして、はだけたワイシャツに手を伸ばす。ほどよく筋肉がついた胸に手のひらを滑らせた。

 京極さんの素肌は驚くほど滑らかで、無意識に唇を寄せてあてた。

 舌を動かすと彼がピクッとして、その様子に間違っていないのだと勇気づけられ、割れた腹筋まで舌を這わせた。

 アルコールが私を大胆にさせているのだ。

 京極さんの体に夢中になっている間に、ブラジャーとショーツが脱がされ、彼の目に晒していた。

 奔放に振る舞っていたが、さすがに羞恥心に襲われる。

「俺がもちそうにない。主導権を返してもらおうか」

「きゃっ」

 再びシーツの上に押し倒されて、私を劣情に染まった顔で見つめる。

「本気で紗世を抱くからな」

 念を押され、乱れる呼吸をする唇が荒々しく塞がれた。

 そこから先は私が今まで経験したことのない世界で、とろとろに蕩けそうなほど甘く、快楽の渦に溺れながら京極さんに身を預けた。
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