愛しの鳥籠〜完結篇〜

「っ!」

突然、外と直結している鍵が開いた。

「ーーユキ?」

そこには、見るからによそ行きの格好をしたランがいた。

「ランっ!どうしてーーっ、」

「良かった、眼が覚めたのねっ!?」

「ーーえ?」

僕が問い詰めるより早くランはその美しい瞳をウルっと輝かせ、ワッと勢い良く抱き着いてきた。

「ラン?一体どうしたというんだ?」

「取り敢えずリビングに行きましょう。話はそこで。ユキ、喉渇いてるよね?いま暖かい蜂蜜レモンを用意するわ」

「あ、」

確かに喉が異様に渇いている。声を発するとヒリリと痛みが走る程に。

全てがおかしいのに、頭がまだ上手く回らない。

ランに促されるままにリビングに戻り、ランはそのままキッチンに向かうと、程なくして蜂蜜レモンが入ったマグカップをふたつ持って来た。

< 16 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop