愛しの鳥籠〜完結篇〜
ごくごくと素早く喉を潤した僕はすぐにランに問いたくて、
「ラン、君はなんでひとりで外なんかにーー」
「…ユキ。あなた、五日間も眠っていたのよ」
「ーーえ?」
色々問い詰めようとしたのに見事に出鼻をくじかれた。
「ハッ、まさか」
つまらない冗談を。と、ランの言葉を笑って一蹴しようとしてローテーブルに置いてある日付けが表示されるデジタル時計に目を向けた。
ーーっ!?
そこにはこの眼を疑う数字が。
確かに、日付が僕の記憶にある日から五日経っていた…。
「どういう…ことだ…?」
バッテリーが今にも切れそうなスマホの日付を確認してもあの日から五日後の表示で。
にわかに信じられない現実を受け止められずただ愕然(がくぜん)とする僕にランは更に話を続ける。