その騎士は優しい嘘をつく
愛おしい人
 ハイナー率いる第二騎士団が派遣されたのは、この国の辺境の街だった。国境という辺境でもあるため、魔物から襲われる確率が他の街よりも高い。それはそこに住んでいる魔物の性質にもよるもの。
 第二騎士団は、その魔物討伐とその街を魔物から守るための砦柵(さいさく)を築くことが任務であった。
 砦柵の建造については、もちろんその街の人の協力も得る。それだけの力仕事だ。そして、力を合わせてこの街を魔物から守るための必要なことでもある。この街の者たちは、魔物に襲われてでもここに住んでいきたいと思っているから。

 第二騎士団は、見事一年で周辺の魔物を討伐しその数を減らし、そして砦柵を築きあげた。
 そして、なんとかその役目を終え、王都へと戻ることになる。
 長い任務であったため、第二騎士団は長期の休暇をもらえることになった。その間にハイナーにはやりたいことがあった。

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