その騎士は優しい嘘をつく
 ハイネスは体が大きく育ち、そして動きも活発になってきた。
 だから、今のアンネッテでは体力的に持て余してしまうところもある。こうやってハイナーがハイネスの相手をしてくれるのは、とても助かった。

「そうか、もっとか」
 息子にねだられ、調子にのっているハイナーは、今度はハイネスを横抱きにして「鳥さんだぞー」とぶんぶんと振り回している。
 そのたびに、ハイネスからはきゃっきゃっという楽しそうな声が溢れてくる。

「ハイネス、ちょっと休憩だ」

 ハイナーは言うと、はあ、と息を吐いてからアンネッテの隣に腰をおろす。

「具合はどうだ?」

「ええ、大丈夫よ。それにあなたたちを見ていると、とても幸せな気分になるから」

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